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怪我をしてから復帰するまでが最も難しい [教育一般]

運動部の指導をしていると、練習中に生徒がけがをする場面によく出会う。

最近は親を呼んで、怪我をした状況を説明し、病院に連れて行ってもらうようにするので、まぁ「無責任」になったものだと思う。もちろん、部活動中の事故は教員の目の前で起こるので怪我の程度を予想することは、経験があれば難しくない。多くの場合は「冷やしながら親の到着を待つ」ようにすれば、初期対応としては間違いない。もちろん、もっとひどい怪我が起こる種目もあるが。

問題の一つ目は「整形外科医」の看板に偽りがある場合がある。もっともひどいのはリュウマチ専門の先生で、こういう先生に当たったらレントゲンだけとってもらって別な先生にかかるほうが良い。しかもレントゲンの扱いが下手な場合もある。

第二に、ドクター自身が運動の経験がなく、「固定して安静」という指導しかできない場合がある。これも困る。骨折しても10日ほどで痛みは取れるので、痛みが取れれば大丈夫と本人も親も思ってしまう場合がある。特に捻挫と骨のヒビがひどい。問題は痛みが取れてから運動に復帰するまでである。ここの指導こそドクターにしてほしい。

本来は、痛みがとれる>怪我の修復状況を判断する>トレーニングをして筋力と柔軟性を戻す>競技に復帰する という過程を通らなければならない。痛みがとれて「大丈夫」とばかり練習に復帰した場合、多くの場合は同じ怪我がしやすく、また、完全に痛みが取れることはない。

大都市であれば、このあたりの指導ができるドクターは少なくない。しかし、このあたりの判断を教員がしなければならなくなるということもある。

部活動、特に運動部を指導する場合は「スポーツ医学」に関する知識が不可欠で、これを知ったうえで専門的に見てくれるドクターが学校の近く(遠ければ車に乗せて連れていける範囲)にいなければならない。本当であれば怪我をした生徒とともに、怪我の状態をレントゲン等のデータを元に把握し、復帰へ向けた指導を受けるとよい。(これが教員の「出張」扱いになるとは聞いたことがない)

こんな環境は「なかなかない」

今の、教員が技術指導も、安全管理も、人間関係の調整も行わなければいけない現在の状況は「無理筋」である。人間の発達を考えると中学生までの指導は一生に関わる。高校生で一生懸命取り組んだ経験は人生の宝となる。その意味でも「部活動の指導の専門性」を認め、大切に指導できる体制を組まなければならない。輪番制にも近い部活顧問の割り当て方では、十分な指導は望めない。どれだけ多くの子どもたちが、指導者の力不足でスポーツができなくなった、伸びなかったと考えると心が痛む。僕自身も「本気で」取り組んできたつもりだが。

そうだ、「有料の部活動」を作ろう。生徒の強制加入は「なし」、数校が集まって「部活動の生徒数を確保」し、学校の先生は輪番で安全管理に集中する。(実際には一部の)指導料を支払えない生徒は、そのスポーツをあきらめて「総合運動部」的な部活を各学校に作り、学校の先生の指導下で安全にスポーツを楽しむ。公式戦には「出ない」。

学校側も「生徒を部活動に縛り付けて、余計な悪事をする時間をけずる」的な発想をやめよう。部活動顧問も「一部の先生が行う」ことを認め、指導できる教員には追加の指導料を支払おう。各学校では、生徒のやりたい活動を無理して保証しようとせずに「できない」と明言しよう。ドラスティックな制度変更が必要だ。
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気持ちはわかるのだが [教育一般]

部活動は、教員にとってけっこう大変な仕事であることは間違いない。

一つ目は、学生時代に自分が(好きで)取り組んだジャンルの部活動を割り当てる仕掛けがないことにある。

具体的には、前年度の部活動の取り組みと希望調査から次年度の部活動顧問を決める。次に教員移動の関係で空いたところを転任してくる教員で埋める。自分が指導したい部活動がその学校にあっても、顧問として指導できるまでには数年かかるのが普通だ。新規採用の場合、そうやっているいるうちに定期異動の期限が来る。学生時代に技術指導が出来そうな部活動経験を持っていたとしても、その部活動の顧問に割り当てられるとは限らない。したがって、多くの部活動の顧問は「素人」がならざるを得ない。

二つ目に、近年の保護者からの強まる要求がある。第一に「安全性の確保」、第二に「良好な人間関係」。しかも「適切な経費」がこれに加わる。もちろん「経費」については「安いほど良い」。公立学校の場合はゼロスタートだ。そうすると指導者として「プロ」を依頼することは難しい。安全のためには、練習中には必ずついて指導していることが望ましい。人間関係のためにも生徒に常時目を光らせて、いじめの発生となるような関係のこじれがあった場合はそっと指導しなければならない。そうなると「教員以外の部活動顧問」は難しいことになる。

これら矛盾する要求のバランスをどうとるかになる。まず、「保護者の要求レベルは下げるしかない。努力義務は残すとし、100%安全・安心な部活動はあきらめてもらうしかない。しかし、現行レベルの安全・安心は最低でも確保したい。

技術指導は「できる教員」と「できない教員」に分かれる。指導経験・指導資格がある顧問には最低賃金の2倍程度の技術指導料を考えるべきで、技術指導ができない教員でも最低賃金程度の安全指導料を支給するべきだ。当然、部活動は生徒にとって「有料」なるが、これだと収支は合うはずがない。部活動後援会や行政から補填する。部活動指導者に対する専門教育は高体連の専門部の協力を得て実施する。

また、退職した教員の力を借りることや近隣の複数の学校をまとめて指導することも考えてみる価値がある。給与面を整備すれば協力してくれる退職教員も少なくないはずだ。

お金をかけないと、最低でも現状は打開できない。現在のような教員にボランティアを強いるような仕組みで部活動を維持してゆくことは無理で、行政側にルールを現実に合わせて変えてゆく努力が必要である。

現実に合わなくなった制度の改正に情熱を傾ける行政マンには、出会ったことがないのではあるが。
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比較して給料は安い [教育一般]

前項で「給料は安くない」と書いたが、半分はウソである。

まず、理系科目の教員の一定程度は一流と言える大学を卒業し、大学院を修了している。そうなると、学生時代の友人は一流企業の研究員である。そう思って比較すると年収が900万円を超えることがない教育公務員の給与は安い。車が買えなくて悔しい思いをしたことも、趣味にかけるお金が準備できなくてさみしい思いをしたこともある。ま、教員になって5年を過ぎたあたりから忙しくなって、学生時代の友人とは疎遠になり境遇を比較する機会もなくなったし、やりたいこと、やれることが見えてきて遊ぶ暇もなくなったのも確かだ。

逆に職の安定性は抜群で、社会の動向で会社が倒産する心配もなかったし、「リストラ」には無縁だった。給与は安くとも安定した生活は確保できた。特に女性にとっては教員という選択は良い選択で、給与差はない上に、男性教員が「生徒指導」や「運動部指導」などの力勝負の場面ではかばってくれる。正直「逆差別」だとは思うが。

教育という仕事は、やりだすと際限のない仕事であるので「枠」にはめることが難しい。一つの解決策は「残業代をルール通り支払う」ということだ。これが成り立てば給与の全体枠が想定できなくなるかもしれない。でも、一つの解決策である。「いくら働いても良いから給料を払うよ」という形式だ。これだと「仕事をやったひとは高給に、やらないひとはそれなりに」という給与となる。教員の場合、多くの「残業」は「本人が必要だと思っているから」残業してやっているので民間企業のように「命令されて残業」とは少し違う。どういう給与制度にするかは悩ましいが、「がんばっただけ給料が増える仕組み」は必要だと思う。

それにしても、大学で教えるときに「教員は割に合わないよ」と話さざるをえない現状は間違っている。でも本音で学生と対峙するとき、教員が「勧められない」職業になってしまったことは事実だ。
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根本的に間違っていることは否めない [教育一般]

教員のなり手がいないのだそうだ。僕自身は「数学+情報+運動部顧問」で活動しているので、その一端は体験している。給料は安い(本当は「生活できる」ので決して安くはない)し、仕事も多い。周囲の目を気にして生活しなければならないんので、近所のコンビニへ行くのにも気を遣うのは事実だ。

仕事の忙しさに部活動がとどめを刺していることは事実だ。ただ、実際に保護者からクレームが入って嫌な思いをしたことは「ゼロではない」がおおむね協力的な保護者が多かった。正直に書くと、それほど「真剣に」部活動をしていなかったのは事実である。

本気でやって、「勝ち負け」にこだわり「強い」指導をしたこともないわけではない。相当に昔の話だが。こうなると四六時中部活動のことを考えるようになる。スポーツ医学の専門書を真剣に読んだし、けがをした生徒を病院に連れて行ってドクターに症状を解説していただいたことも度々あった。要するに「考えられることはすべてやった」のが部活動にのめりこんでいた時代だ。寝言で生徒の名前を叫んだのも今となっては笑い話だ。

僕はこれでも「足を半分抜いて」部活の顧問をしていたが、生活のすべてを部活動にかけていた先生もいる。数名知っている。その結果、その顧問の「家庭が壊れる」そんな例をいくつか知っている。

平日は19時くらいまで部活の練習に付き合い、残業手当はゼロ。土日は両方とも半日(両方全日という先生も知っている)練習に付き合って3000円の部活動手当(700円という時代もあった)。子供は母親にまかせっきりでは結婚生活は続かない。未婚であれば「結婚できない」といのが現実である。

だから部活動は教員の手から放せという意見も理解するが、部活動の教育的価値は極めて高いところに話の難しさがある。

簡単な話ではない。「部活動の顧問は拒否」という教員も実在するようだが、僕はこれを正当だと思わない。ただ、制度が時代に合わないことは現実である。

この話はまた書く。

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「意味」としての情報と「データ」としての情報 [情報教育]

情報ってなんだ という問いについて調べると「事実,事象,事物,課程,着想などの対象物に関して知りえたことであって,概念を含み,一定の文脈中で特定の意味をもつもの」と定義されている。(JIS)

一般的に想像する「情報」という言葉の意味はこれでよいと思うのだが、シャノンの情報理論が混ざってくると話がややこしくなる。

シャノンの理論は意味を持たない0,1の列としての情報についての理論で「計算するための原理」を組み立てている。もちろん「基礎的」で素晴らしい理論だが『情報理論』と呼ばれることから「意味」としての「情報」と混同されやすい。

某社の教科書の最初の章に「シャノン」の名前があることにはがっかりした。

意味論と「情報理論」は混同しないようにしなければいけない。「情報」について学び始めた最初の授業で「意味」と「計算理論」は違うと話しても生徒は混乱するばかりだろう。

(僕は訂正して教えるが)教科書でも「シャノン」の位置を動かしてほしい。

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戦争は悲しい

この悲しさは忘れてはいけない、そんな思いで記事を書いている。

ロシアによるウクライナ侵略の戦争だ。流れてくる情報を受け取らないと戦場にいるウクライナ国民に失礼だと思い、こればっかり見ている。

悲しい。。。が、日本にいてはどうしようもない。

職業柄、できることは正しく理解して現実に起こっていることを生徒に伝えるくらいしかできない。もう少しチャンスがあるので勉強したい。

さて、戦争体験は僕にはない。それでも、子どもの頃街を歩いていると、片足を失い、目の前に缶詰の空き缶を置いて物乞いをしている人はいた。

片足を失い、生活をすることができなくなったからだ。

太平洋戦争の戦後20年の時代だ。

忘れてはいけないのは、「彼」は戦争で亡くなってはいなかったという点だ。
戦禍で生き残った方々も深刻な被害を受けていることがある。特に戦争の場合は「足をなくした」「腕をなくした」人を僕自身が見ている。

戦争に名を借りた虐殺は許すことができない。しかし、命があるから「治れば大丈夫」というわけにはいかない。命がある限り失われた足や腕の不自由さに耐え、偏見の目に耐えながら生き続けなければならない。命を奪われた方々の何倍にもあたる方々が身体に深刻な傷害を受け、さらにその何倍もの人が精神に深刻な被害を受けている。苦しみに耐える人生を強要される。

死者数の報道に騙されてはいけない。

戦争は、なにがあってもやってはいけない。
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「神真都Q」 [情報教育]

ヤマトキューと読むらしい。
新型コロナウイルスに対するワクチン接種に反対する団体らしい。

結論からすると、神真都Qの主張を丁寧に読まないと何とも言えないが、「在特会」似たにおいを感ずる。「特殊な」情報源から入る情報を信じて振り回しているという意味だ。ま、軽々しく言えるぶぶんではないので、時間に余裕があるときにもっと丁寧に読み込んでみたい。

在特会に関する情報は『ネットと愛国』(講談社α文庫・安田浩一 著)に詳しい。
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Sige-Lab TOP を修正中 [数学]

少し前にはなるが、1月の3年生の最後の定期考査前に定積分の計算プリントを追加で公開した。

https://sige-lab.info

のトップ画面をLatexで書いたプリントのリンク画面にして、授業を受けている生徒にはアドレスを公開した。現在の勤務校のレベルに合わせているので「一般的にみると」相当易しいが、コンセプトは「速くて正確な計算力を身に付ける」である。易しいのは最初からわかっている。

1枚あたり1分から3分

で解けば中堅レベルの進学校の生徒でも十分に効果が出る。

その「背景」となる実験結果をまとめたレポート(20年前!のもの)もリンクを張って見ることができるようにした。こちらも合わせて見てほしい。
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少し吐き出した [情報教育]

今年のテーマ『吐き出す』に従って、3月末まではある程度吐き出し切りたいと思ってコツコツ進めていた。

今日はLatexで作った計算問題を追加で公開した。あわせてTexのコードとPDFのページを分けた。自分ではそんなにあるとは思っていなかったのだが、いざ公開してみると結構な数があったのでPDFとTeXを2段にしていたものを2枚のIndexページに分けた。さらっとはチェックしたんでつながるとは思う。

https://sige-lab.info

まだまだあるぞ。
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漢字のファイル名 [情報教育]

そういえば昔、『Webに出すことを前提にファイル名には漢字を使うな』と騒いでいた。

カッコをつけて「英単語」にすると「予約語」とかぶることがあるから『ローマ字推奨』なんて言っていた。

さて、今は2バイト文字はWebで通るのだろうか。しばらく前にドメイン名に漢字が使えるようになったという噂を聞いた覚えがあるので大丈夫なのかとも思う。

が、「筋の悪いネーミング」が自分の首を絞めることは、この稿でも繰り返しぼやいてきた。
やっぱり『ローマ字+スペース区切り無し』がいいのかな。


字が小さくなると読みにくいんだけど・・・。





あ、年のせいか。(泣)
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