SSブログ

気持ちはわかるのだが [教育一般]

部活動は、教員にとってけっこう大変な仕事であることは間違いない。

一つ目は、学生時代に自分が(好きで)取り組んだジャンルの部活動を割り当てる仕掛けがないことにある。

具体的には、前年度の部活動の取り組みと希望調査から次年度の部活動顧問を決める。次に教員移動の関係で空いたところを転任してくる教員で埋める。自分が指導したい部活動がその学校にあっても、顧問として指導できるまでには数年かかるのが普通だ。新規採用の場合、そうやっているいるうちに定期異動の期限が来る。学生時代に技術指導が出来そうな部活動経験を持っていたとしても、その部活動の顧問に割り当てられるとは限らない。したがって、多くの部活動の顧問は「素人」がならざるを得ない。

二つ目に、近年の保護者からの強まる要求がある。第一に「安全性の確保」、第二に「良好な人間関係」。しかも「適切な経費」がこれに加わる。もちろん「経費」については「安いほど良い」。公立学校の場合はゼロスタートだ。そうすると指導者として「プロ」を依頼することは難しい。安全のためには、練習中には必ずついて指導していることが望ましい。人間関係のためにも生徒に常時目を光らせて、いじめの発生となるような関係のこじれがあった場合はそっと指導しなければならない。そうなると「教員以外の部活動顧問」は難しいことになる。

これら矛盾する要求のバランスをどうとるかになる。まず、「保護者の要求レベルは下げるしかない。努力義務は残すとし、100%安全・安心な部活動はあきらめてもらうしかない。しかし、現行レベルの安全・安心は最低でも確保したい。

技術指導は「できる教員」と「できない教員」に分かれる。指導経験・指導資格がある顧問には最低賃金の2倍程度の技術指導料を考えるべきで、技術指導ができない教員でも最低賃金程度の安全指導料を支給するべきだ。当然、部活動は生徒にとって「有料」なるが、これだと収支は合うはずがない。部活動後援会や行政から補填する。部活動指導者に対する専門教育は高体連の専門部の協力を得て実施する。

また、退職した教員の力を借りることや近隣の複数の学校をまとめて指導することも考えてみる価値がある。給与面を整備すれば協力してくれる退職教員も少なくないはずだ。

お金をかけないと、最低でも現状は打開できない。現在のような教員にボランティアを強いるような仕組みで部活動を維持してゆくことは無理で、行政側にルールを現実に合わせて変えてゆく努力が必要である。

現実に合わなくなった制度の改正に情熱を傾ける行政マンには、出会ったことがないのではあるが。
nice!(1)  コメント(0) 
共通テーマ:学校

nice! 1

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

Facebook コメント